2024.01.18

藍の豆知識

藍の豆知識#15「染色の歴史ー世界を染める神秘の色」

染色の歴史は、人類が自然と共に暮らす中で発展してきました。
このコラムでは、染色の起源と藍についての、魅力的な豆知識をお伝えします。

●染色の起源
 人類の歴史の中で、染色はなぜ、いつ頃からはじまったのでしょうか。
 起源は、自然に対する祈り、あるいは呪いのために「色」をつかうことがはじまりではないかといわれています。
 炭や貝殻の粉、土などを使用して身体に塗りつけるようにして「色」を使うようになったのが、今から約1万年以上前と推測されています。
 布に染色をされはじめるようになったのはもっと後のことで、起源前4000年から3000年にかけてのことだと推測されています。
 藍をはじめ、アカネ、貝紫、クルミ、泥、石灰などが使われていたといわれています。

植物で染められた色とりどりの布たち
植物で染められた色とりどりの布たち

●世界で1番古い布は藍染め?
 現存する、世界で最も古い布は約4000年以前のもので、エジプトのピラミッドから発見された藍染めの麻布です。
 4000年以上前の人も、緑色の葉から青色を見つけていて、その技術がいまもなお人々に愛されていることを思うと、すごいことですね。
 藍はまさに”人類最古の染料”と称される長い歴史を持っていることがわかります。

世界で1番古い布は藍染め?

●世界各地の藍事情
 エジプトで最古の藍染め布が見つかったり、中国から藍の技術が日本へ伝わったりと、藍は世界各地で染料として用いられています。
 藍染めは、日本、中国、台湾、インド、アフリカ、中南米、南フランス、イギリス、エルサルバドル、メキシコ、マダガスカル、インドネシア、ボルネオなどで行われています。
 各地で植物の違いや、染料の作り方の違いがあります。異なるプロセスですが、同じ「藍色」を引き出すことを目的に、多様な藍文化が世界で育まれてます。
 日本では蓼科のタデアイ、インドなどの亜熱帯ではマメ科のインド藍、ヨーロッパの寒帯地帯ではアブラナ科のウォードが使われています。
 世界の藍については、藍の豆知識#11「世界の藍いろいろ」でも紹介しています。

世界各地の藍事情

ちなみに、藍染結の杜がある北海道も寒帯地帯ですが、このヨーロッパの藍であるウォードの目撃情報があるようですよ!
ただ、産業としては北海道でもタデアイを使用していることが殆どです。
藍染結の杜でもタデ藍を使用しています。染色の歴史は私たちの文化や生活に深く根ざしています。
布に触れることで、色と共に歩んできた人類の物語を通して、染色の神秘を改めて感じることができるでしょう。

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