2023.04.10

藍の豆知識

藍の豆知識#08「青は藍より出でて藍より青し」を藍染めから学ぼう。

 「青は藍より出でて藍より青し」という諺を聞いたことがありますか?
この諺は、教えを受けた人が教えた人よりも優れることや、弟子が師よりも優れることを表すことわざです。
 出典は『荀子』という、約二千三百年前の中国の書物のなかの「勧学篇」に、「青は藍より出でて藍より青し」の元となった文章が書かれています。
 この言葉が意味するのは、藍染めのプロセスに深く関わっています。
 青色の染料は、植物の藍から採取されますが、この諺が由来するとおり、その色は植物そのものよりも青いのです。   
 今回のブログでは「青は藍より出でて藍より青し」の実際のプロセスを紹介します。

藍の葉
藍の葉。バジルにも似ています。

 深い青色の藍染めは、藍の葉を発酵させることで作られます。
 葉は緑色で、バジルの葉に似ています。
 この葉を収穫し、時間をかけて発酵させると「蒅(すくも)」というものができます。
 やや青みを帯びた土のような、独特の風合いを持った色です。

蒅(すくも)
蒅(すくも)。

 次に、蒅を水や木灰などと混ぜ合わせ、藍染め用の染料液を作っていきます。
 温度やpHを調整し、発酵を促進させて染料液を作ります。
 葉の状態からすると、色は大幅に変化していますが、まだ「藍より青し」と言えるほどの青さは現れていません。
 染料液の色は、黄緑色から茶色の間の色で、「青色」はまだ生まれていません。

藍の染料液に布を浸しはじめている様子
藍の染料液に布を浸しはじめている様子。

 そして、染色に移ります。
 布を染料液に漬け、染料液の中で布をゆっくりと動かします。
 ここでも、青色はまだ現れません。
 1〜2分、布を染料液のなかに浸けおわったら、布を軽く絞って引き上げます。
 すると、酸素と空気に触れることで、徐々に色が変化していきます。
 ここでようやく、「青」が現れてくるのです。
 長い年月をかけて、植物が発酵や酸化などの外部の環境によって変容し、最後の最後で、美しい青色が現れます。

空気に触れて少しずつ「青」が現れてきます
空気に触れて少しずつ「青」が現れてきます。

 ゆっくりと青色が現れる瞬間は、とても美しいですね。
 このように、実際に藍染めの生成プロセスを知ることで「青は藍より出でて藍より青し」という言葉の意味がより理解できるようになるのではないでしょうか。
 さらに実際に自分で藍染めを行ってみるとよりその感覚が自身の中で深まるでしょう。

染料液から引き上げてすぐの色味
染料液から引き上げてすぐの色味。

青は藍より出でて藍より青し
3分経過後の色味。

 荀子は、生涯にかけて学び続けることにより、すぐれた人間を目指すことや、また自分勝手に学ぶのではなく信頼できる師のもとで学ぶことが重要だということを説いています。
 「青は藍より出でて藍より青し」。
 藍と同様に、人間もよりよく生きていくためには、師を見つけること、時間や手間をかけること、環境を整えることなどが大切なのかもしれません。
 諺の深さにも改めて考えさせられますね。

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