今年は全国的に夏が長引きましたが、10月半ばになり、ようやく秋を感じるようになってきました。秋は、藍の花が開花し、種をつける時季です。
今回のコラムではそんな季節にふさわしい、タデ藍の花から種を採る方法についてをお話ししたいと思います。
■ 藍ってどんな花?花は藍色ではない?
藍の花は、藍染めに使われる青い色ではなく、白色やピンク色の、とても可憐で愛らしい花です。花は通常、9月から10月にかけて咲き誇ります。茎の先端に複数の小さな花を咲かせる特徴があります。
■ 藍の種はいつ収穫するの?
タデ藍は一年草です。そのため毎年種を収穫します。収穫時期は通常11月頃。
種は、翌年の春に植えるためのものです。(2年以上保存すると発芽率が低下するため、翌年に蒔く分は今年に収穫しましょう。)
ごまに似た、小さな粒のような形をしています。
■ 藍の種の収穫方法や、収穫のタイミングは?
藍の花が種になり、且つ茎や葉が枯れ始める時が収穫のベストタイミングです。花穂を刈り取り、十分に乾燥させましょう。
乾燥した花穂から種を取り出すには、竿などで穂を叩く方法を使います。
(家庭用の少量であれば、指で穂の部分をこする方法も使えます。)
種は通常、薄茶色の殻で覆われていますが、そのまま保存して問題ありません。5℃前後が適温なので、冷蔵庫で保存します。
また、春になって種を蒔く際には、殻を取り除いてから植えると発芽率が向上します。
■ 藍の種はどこで手に入れることができる?
このコラムを読んで、藍を栽培し、種を収穫してみたいと思った方へ。
タデ藍の種はホームセンターなどでなかなか見かけませんが、オンラインで購入可能です。農家や家庭の菜園で収穫した種を販売している個人や団体も存在し、また種の提供を行っている組織からも手に入れることができます。
(藍染結の杜では現在、種の販売は行っていません。)
▲藍染結の杜で一部使用している藍の種です。
神奈川県横須賀市「青い谷スタジオ」の種。
収穫の季節、皆さんも豊かな秋を楽しんでくださいね。